株式会社 林

株式会社 林
   〒 136-0071     |     住所 : 東京都江東区亀戸7−26−17
   TEL : 03-6231-5398    |    FAX : 03-62315397

社長インタビュー
塗装で繋ぐ日本と中国

19歳の時、日本語が全く話せない状態で中国・福建省から来日した。アルバイトでいろんな仕事を経験した。東京・新宿の塗装会社で塗装業と出会い塗装の道へ入った。熟練工の職長の下で仕事を仕込まれ、職長の会社を辞めることになり一緒に退職した。
先輩の職長と協力し塗装会社を設立し、証券会杜や銀行、そして会社事務所などの内装工事専門に塗装工事を行った。
私財を売り払い、元請け会社から工事代金を前払いにしてもらうなどやくりして、ギリギリで乗り切った。努力が実り、塗装や資材代金と、職人の賃金を全部決済出来た。これが信用に結びつき仕事は順調に伸びた。現在年商は1億円である。
日本での事業経営で一番苦労するのは、実績のない会社に銀行は融資してくれないこと。しかし、2度のつまずきを乗り越え、故郷で事業を始めた。
現在、出身地の福建省福州市台江区に福州林氏建築装飾有限公司、また上海市に福州林氏建築装飾有限公司上海分公司を経営している。林社長に国の塗装工事について話を聞いた。

福州と上海で事業を経営

福州は2008年5月に会杜を設立した。工事の受注は、昔からのやり方で個人対個人の約束、特に契約書は交わさない。仕事内容は、戸建てのオーナー「ビル」の新築塗装工事が中心である。中国は戸建てといっても5,6階建て300〜400㎡の建屋である。マンション改修は全くない。
仕事を頼まれると、まず、オーナーが用意する材料で工事を行うか、材料持ちで工事をするかを決める。どちらの場合も施工主は塗装についての知識がないので、グレードを選択してもらうため、一緒に塗料を販売している所へ同行してもらう。条件に合うものを選んで現金で購入する。材料を買いに行く所はバラバラ、日本のように現場へ運んではくれない。中国は塗料メーカーが多いが、製品は全般的にグレードが低く価格は安い。日系企業製品もあるが値段は高い。これの中から施工業者は信頼出来る製品を薦める。
業種として塗装の専門業者はいない。塗装職人の組織もない。ローカルでは口コミで仕事が上手な人に依頼する。職人の勉強の場で見習いをしながら技術をマスターする。塗装はほとんどが内装をローラー仕上げする。
広東省、福建省、淅江省など南部は経済展が急テンポで、不動産を始めいろんな産業が盛んで収益率も高い。塗装は汚れる仕事のため若い人逹似人気がない。それを補うのは、冬場になると東北地方の寒冷地から出稼ぎ手塗装の仕事をする人が大勢来る。そして春先の農作業が始まる頃に故郷へ帰る。 塗装現場は親方が一人、あとはアルバイトを使って仕事をするがほとんどで専門職はない。コネで仕事を取り,職人を集めて仕事をする。塗装は素人でも仕事を確保し稼ぐ仕組みである。
また、塗装工事は仕事が終ればそれで終わり。保証はしない。塗装技術者はいない、現場もいい加減で、アルバイトの集りが仕事をする。
オーナービルの工事期間は施工者が決める。ほとんど工期は守らない。工事代金はローカルで皆知り合いなので支払いは間違いないとか。

日本式工事取り入れ高評価

林さんの福州市の会社は、日本で塗装工事を勉強した人を責任者に、日本式の工事方式で評価が高め仕事が増えている。中国は税金を納めないと工事に対する協力はしてくれない。福州は実績を積み順調である。
上海分公司は大都会でエリアも広く工事規模も大きいが競争が激しくれない。現在は日系企業を中心に手堅くやっている。工事規模が大きいためトラブルが発生すると怖い面がある。今は日系企業に特化し地盤を作っているところで、いずれローカルへ仕事を広げる。塗装、防水工事を中心に展開している。
日本の事業者は中国で塗装工事を行う場合、日本式に保証するといろんな事が起こりメンテナンスだけで大変だ。日本は品質だが、中国は人脈が先で、品質は二の次である。まず仕事を取ることに奔走する。
塗装現場では養生を一切しない。塗装は塗装が終ればそのまま、工事後の掃除をしない。塗装面がきれいになっていればほかのことは関係ない。日本は現場をきれいにして引き渡す。システムが異なる。
中国市場でも技術力を高め真面目な仕事をする者が生き残ることは確かだ。「真面目に取り組めば、儲けは後からついてくる」。これは中国人に分からないらしい。目先の利に走る。信用内から材料は前払い。後払いだと、待ってくれが多くなる。
中国の問題点の一つに労働者の賃金不払いがある。労働基準局の機能が停止し賃金不払いに泣く労働者が絶えない。「これは共産主義の弱点だ」と林さんは心を痛めている。

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